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Japan Desk
June 16, 2015Indian pharmaceutical industry and its growth
インドの製薬産業とその成長
各位
過去15年間において、日本は約180億米ドルをインドの企業に投資してきた。1 製薬産業が著しく有益な機会を提供していることから、投資の約27.5%が製薬会社2 への投資となっていることは驚くべきことではない。2014年、日本のロート製薬は有限会社ディープケア・ヘルスの株式の40%を取得し、これはその年の最大規模の日本企業による取引の一つとなった。
インドの製薬産業の概況
インドは最も成長している製薬市場の上位5位に入っており、その売上高は2016年までに約270億米ドルにも及ぶことが予想されている。3 この産業には通常、ブランド医薬品の生産、ブランドジェネリック医薬品の生産、ノーブランドのジェネリック医薬品の生産、そして医薬品の原薬として使用される医薬品有効成分(API)の生産という4種のビジネスがある。インドは外部委託研究や製造サービスもよく行われるようになった。委託製造業と研究産業は著しく成長しており、その規模は現在約78億米ドルと推定されている。4
製薬産業の重要な傾向
o インドの製薬産業において、堅調な外国直接投資、合併、提携(ライセンス、共同開発、共同配送、ジョイントベンチャーなど)が行われている。
o 国内製造業者は、利益率が高く、堅調な輸出成長率が望め、インドの製造業者が高い割合で医薬品簡略承認申請(ANDA)の承認を受けている国際ジェネリック市場への参入を狙っている。
o 当産業は、ジェネリック医薬品の製造から創薬・医薬品開発へと焦点が移行することに伴うパラダイム転換に直面している。インドの企業は製剤企業に提供する原材料とAPIの製造から脱却し、成熟した製剤の生産元になろうとしている。
o 当産業では新たな政府の統率のもと、大幅な改革が起こると共に好ましい税政策構造が確立されることが期待されている。
インドの製薬企業への投資
インドでのビジネスは、チャンスであると同時に困難を伴うものでもある。
外国直接投資(FDI)は、防衛、住宅・不動産、出版メディアなど(「ネガティブリスト」と呼ばれる)といったいくつかの例外を除き、事前に規制当局の承認を得ることなしに(つまり「自動認可ルート」に基づき)、現在インドのほとんどすべてのセクターで許可されている。FDI所定のガイドラインに沿っていない場合、またはその活動がネガティブリストに該当する場合、外国投資促進委員会(「FIPB」)から事前承認を得る必要がある(このルートは「承認ルート」とも呼ばれる)。
製薬セクターの場合、グリーンフィールド企業(過去に存在しなかった新事業)においては自動認可ルートにより100%の割合でFDIが許可されている。ブラウンフィールド企業(既に存在する事業)のFDIもまた100%の割合で許可されるが、こちらは承認ルートを経なければならない。しかし、同一企業(承認済外国資本率の範囲内)、または100%出資子会社に対するいかなる追加外国投資)も新たに政府の承認を得る必要は無いことを、最近政府が明確にしている。
さらに、既存の企業へ投資する場合、FIPBの承認を伴う特別な場合を除いて既存の株主との競争制限条項は認められない。
法的体制
法的体制に気を配ることもやはり必要である。特に投資家は、外国為替及び外国貿易管理法によって、その企業の利益をどの程度インド国外で計上できるのかが決まるので、よく注意を払う必要がある。また、多国籍企業がインドで100%出資子会社を運営している場合、不本意な法的措置を回避するために、その子会社が規制体制や製造物責任に関する法律などに準拠しているか確認すべきである。
当産業にとって最も重要ないくつかの法律を以下に列挙する。
a) 1940年薬品と化粧品法と1945年規則:医薬品(一部の医療機器を含む)と化粧品の製造、輸入、流通、販売を規制する。
b) 1954年薬品と魔法の救済(好ましくない広告)法と1955年規則:特定の疾病や疾患の診断、治癒、緩和、治療、予防に医薬品を関連付ける広告を規制する。
c) 1970年インド特許法:製法特許と製品特許の体制を規定する。製品と製法特許の期間は20年である。
d) 2013年医薬品価格管理令(DPCO): 2011年発表の基本薬国内リストに基づき、基本的に必要不可欠とみなされる医薬品の価格管理体制を規定する。
e) 医薬品市場活動の統一法典 (UCPMP):製薬産業の市場活動を規制する。
f) 1961年所得税法:所得税は中央政府が所得に課す税である。インド国内に居住する者は、インド国内外問わず、得た所得のすべてが課税対象となる。非居住者はインド国内を源泉とする所得が課税対象となる。非居住者に課せられるインドの税率は最高40%である(適用課徴金を除く)。インド国内の課税対象の外資系企業を含むすべての会社が納めるべき税額が帳簿上の利益の18.5%に満たない場合、最低代替税の納税義務が発生する。ロイヤルティーの支払やテクニカルサービス料は源泉徴収税の対象となる。
g) 1963年税関法:すべての輸入品に輸入関税を課す。医薬品の輸入は基本関税、追加関税、相殺関税の対象となる。
h) 中央及び州付加価値税(VAT)法:売上税を課す。売上税は医薬品の売上として徴収される。
i) 1994年物品税法:物品製造に「物品税(Excise Duty)」と呼ばれる税を課す。物品税はCENVATとも呼ばれる。これはインドで製造される医薬品に課される。
j) 1994年財源法:除外されるサービスとみなされない限り、すべてのサービスに税金を課す。すべての受託研究機関はサービス税を収めねばならない。
結論
インドの製薬産業には多大な可能性があり、これは今後も成長を続ける。しかし、健康は最も重要なテーマであるため、関連産業には常に規制が付きまとう。保健省、化学・肥料省、科学技術省、食品省といった多数の省庁が引き続き製薬産業を規制する。
しかし、インドのジェネリック医薬品セクターは活気に溢れ、そのプレゼンスを国外市場で確固たるものにしつつある。過去数年で規制体制の合理化が進んだことから、インドのジェネリック企業が受ける外国投資は増加している。産業全体における研究開発費の著しい増加や予定されている新薬リリースを背景に、新薬セクターもまた堅調な成長が期待される。つまり、インドの医薬品セクターは多国籍医薬品企業や投資家にとって今後も魅力的な場所であり続けるだろう。
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